プロジェクト概要
- Target|対象
- ラフノート株式会社(eapグループ会社)の自社運営
- Project|プロジェクト
- 月次の集計・照合・共有準備の仕組み化と、LinearとTimeCrowdの記録を用いた月次レビュー支援の構築・検証
- Area|領域
- バックオフィス(経理・月次報告・社内共有)/月次レビュー・1on1の準備
- Scope|対応内容
- 業務の棚卸し / 会計データの集計 / 報告書式のテンプレート化 / 承認付きの社内共有 / リマインドと異常通知 / 工数・進捗記録の月次整理
- Tools|ツール
- マネーフォワード クラウド会計(会計データ)/ TimeCrowd(工数・稼働の記録)/ Linear(案件・進捗の記録)/ Slack(承認・通知)/ Googleスプレッドシート・Google ドライブ(集計表・資料の保管)
- Period|期間
- 2026年7月に着手。以降、段階的に構築・検証中(2026年9月時点)
月次の集計・照合・共有準備は、担当者が毎月思い出して手で進めていた。判断に必要な情報は、担当者の手元や複数のツールに散らばっていた。
業務を「AI」「テンプレート化」「Web化」「システム連携」「人の判断」に切り分け、形式が毎月同じものは定型処理に寄せた。全体への共有の手前には、人の確認を工程として置いた。
仕組みが集計と下書きを用意し、人は承認と例外確認と判断に集中する。承認されたものだけが全体に届く。
毎月の定型業務を、誰かの記憶に頼らない形で。
月次の報告は、一つの作業に見えて、性質の違う仕事が重なっています。会計データから数字を拾う「集計」、数字が合っているかを見る「照合」、関係者へ届ける「共有準備」、見込みや改善点を決める「判断」です。
この4つが担当者の中で混ざっていると、一部だけを自動化しても、全体は人が抱えたままになります。
ラフノートは2025年12月にeapグループに加わっています。グループとして顧客に「AIで何を効率化するか」を提案する前に、まず自社のバックオフィスで、どこを仕組みにし、どこに人を残すかを実際に分けてみることにしました。
「AIを入れるか」ではなく、「どこを誰が受け持つか」。
自動化の手段を選ぶ前に、業務ごとに入力・判断・出力・確認者を書き出しました。書き出してみると、「判断」と思っていた部分の多くは決まったルールで処理でき、AIに任せる候補は毎回内容が変わる読み替えや下書きに絞られました。
そのうえで、全体への共有に関わる工程では「間違って進む」より「止まって知らせる」ほうを選ぶ、という線を先に引いています。
業務を切り分けてから、方法を選ぶ。
すべてをAIにするのではなく、業務の性質ごとに向いた方法を選びました。新しい仕組みは試験運用と人のレビューを経てから本番に切り替えます。
小さく始めて、人のレビューを経てから本番へ。
2026年7月の着手から、同年9月時点までの流れです。一度に全業務を置き換えるのではなく、業務ごとに仕組みをつくり、検証とレビューを経て反映します。
業務ごとに、定型処理・AI・人を割り当てる。
構築したのは、大きく「集計と書式」「承認付きの共有」「リマインドと通知」「月次レビューの材料整理」の4つの領域です。AIに任せる範囲は、毎回内容が変わる読み替えや下書きに限る考え方で進めています。
記録を、評価の結論ではなく対話の材料にする
LinearとTimeCrowdの記録をもとに、業務の進捗・負荷・成果に関する情報を月次レビュー前に整理し、評価者が確認すべき観点の下書きをつくる仕組みを構築しています。出力は、事実確認と本人との対話を行うための参考情報です。報酬、昇格、配置、契約更新、懲戒その他の人事上の判断を、システムのみで自動決定するものではありません。
評価観点の整理を支援する仕組みであり、個人の処遇を自動決定するものではありません。
数値は、月次レビュー、1on1、業務改善の論点を見つけるための材料として扱います。正式な評価・報酬・昇格・配置などの決定は人が行います。なお、この仕組みはPhase 1として構築・検証している段階です。
「間違って書く」より「書かずに止まる」。
仕組みをつくるときに最も重視したのは、うまくいかなかったときの振る舞いです。全体への共有に関わる工程では、止まって知らせることを正しい動作としています。
- 承認ゲート ─ 全員に届く発信は、下書き段階では通知が飛ばず、責任者の承認後にだけ配信される。
- 段階的な本番切替 ─ 新しい仕組みは、検証 → 人のレビュー → 本番切替の順で進める。
- 人の手順はリマインドで補う ─ 自動化しきれない工程は、決まった日に作業のリマインドが届く。
仕組みが下書きを用意し、人が確認と判断を担う
ラフノートでは、月次報告の集計、決まった書式での資料作成、承認付きの共有を仕組みに寄せています。これにより、月次の集計・照合・共有準備にかかる時間を月12時間から月4.5時間へ短縮しました。月7.5時間、年間90時間を、例外確認、改善、顧客対応、対話に再配分しています。
- 月次報告は、集計と書式を仕組みが受け持ち、見込みと総括の判断だけを人が行う。
- 全社への共有は、責任者の承認を経たものだけが届く。
- 月次レビューは、記録の整理を仕組みに寄せ、評価者と本人の対話に時間を使う形を検証している。
自社で試しているやり方を、そのまま相談の場に。
本事例は、eapグループのラフノート株式会社が自社の運営で行っている取り組みです。顧客への導入実績ではありません。
業務を「AI」「テンプレート化」「Web化」「システム連携」「人の判断」に切り分けるやり方は、業種を問わず使えます。毎週・毎月繰り返している作業を一つ選び、入力・判断・出力・確認者を書き出すと、どこから手をつけるかが見えてきます。
現状の業務を伺いながら、AIで効率化できる部分と、テンプレート化・Web化を検討する部分を整理する30分程度のオンライン相談も可能です。