プロジェクト概要
- Client|クライアント
- 株式会社YOUMEX
- Project|プロジェクト
- 人事システム再構築支援(現行業務整理〜候補システム比較・導入システムの意思決定)
- Industry|業界
- エネルギー・生活サービス / SS・車両販売・ランドリー ほか多店舗運営
- Service|支援領域
- DX / 業務改善 / システム導入支援
- Period|支援期間
- 約1ヶ月(調査・選定フェーズ)
- Team|eap担当
- 株式会社eap(DX / System Advisory Partner)
人事業務が5つのシステムとExcel・紙に分散し、マスタの多重登録や手作業のデータ連携が常態化。刷新の機運はあったが、目的や優先順位が固まる前に製品比較から入ると、導入後の手戻りリスクが高い状態だった。
システムの比較から入らず、現行の人事業務31業務を棚卸しして課題を構造化。要件から逆算して候補SaaSを調査し、FitGap分析と費用・導入リスクの比較まで、意思決定に使える材料を揃えた。
現行業務と課題を整理し、候補システムを自社業務とのFitGap・費用・導入負荷まで含めて比較。その結果、YOUMEX様が今後導入する人事システムを意思決定するまでを支援した。
多店舗・多業態の会社を支える人事業務が、5つのシステムに分かれていた。
株式会社YOUMEXは、1951年創業、長野県塩尻市に本社を置く地域生活サービス企業です。サービスステーション8店舗、灯油デリバリー、車両販売・整備、コインランドリー12店舗、24時間フィットネス6店舗、レンタルオフィスと、多業態・多店舗を展開し、従業員は約200名(うち社員約60名)。シフト勤務のパートタイム従業員が多く、シフト・勤怠・給与の管理が人事業務の中心を占めます。
同社の人事業務は、シフト・勤怠、給与計算、人事情報・給与明細の配信、人事評価、eラーニングと、領域ごとに異なる5つのシステムに分かれていました。さらにシフト計画や賞与計算などはExcel、入社手続きは紙。従業員が1名入社するたびに複数のシステムへ同じ情報を登録し、システム間のデータ連携は人が出力・加工・取込でつないでいる状態でした。
社内では「5つのシステムを1〜2つに集約したい」という検討がすでに始まっていました。eapが第三者として参画したのはこのタイミングです。業務の全体像を押さえないまま製品の機能比較から入ると、導入後に「現場で使えない」「手戻りが起きる」リスクが高い ── そこで、比較の前段となる業務整理から選定材料づくりまでを支援することになりました。
課題は「システムが5つあること」ではなく、業務とシステムの分断。
ご相談の出発点は「人事システムを集約したい」でした。しかし、現状を整理していくと、本質的な課題はシステムの数そのものではありませんでした。
同じ従業員情報を複数のシステムに登録する。システム間でデータが直接つながらず、CSVを手作業で加工して取り込む。業務が特定の担当者に依存する ── これらは、業務の設計とシステムの構成が分断されたまま、それぞれが積み上がってきた結果です。この構造を放置したまま製品を入れ替えても、「新しいシステムの間を、また人がつなぐ」状態が再生産されてしまいます。
製品比較からではなく、「今どんな業務をしているか」から始める。
eapが最初に手をつけたのは、製品カタログの比較ではなく「今どんな業務をしているか」の可視化です。一方で、お客様には「スピーディに進めたい」という明確な方針がありました。そこで、時間のかかる詳細な業務フロー図はあえて作らず、システム選定に必要十分な粒度で業務を棚卸しする、という設計にしています。
そのうえで、課題の構造化、候補調査、FitGap分析、費用比較へと段階的に進め、各ステップの結果を次のステップの判断材料として積み上げていきました。
棚卸しから費用比較まで、システム選定を一気通貫で。
eapが担ったのは、システム選定の前段にある「意思決定の材料づくり」です。ベンダーから情報を集めるだけでなく、集めた情報を同じ物差しで比較できる形に揃えることまでを支援範囲としました。
支援アウトプット
「検討しました」で終わらせず、意思決定にそのまま使える資料に落とす。
ここでは、実際のプロジェクトで作成した支援アウトプットの一部をご紹介しています。機密情報・製品名・金額等を除き、公開用に再編集しています。
業務から要件を整理し、導入する人事システムの意思決定まで。
今回の成果は、調査レポートを納品したことではありません。現行業務と課題を整理し、候補システムを自社の業務に当てはめて比較した結果、YOUMEX様として今後導入する人事システムを意思決定するところまで到達したことです。
複数のシステム・Excel・手作業に分散していた31業務を棚卸しし、システム刷新で解決すべき課題と、運用の見直しで対応する課題を切り分けて明確化。関係者が同じ全体像を見て議論できる状態をつくりました。
一般的な機能比較ではなく、現行業務とのFitGap、運用変更の要否、初期費用・ランニングコスト・導入支援まで含めて、候補システムを同じ物差しで比較。「機能が多いか」ではなく「自社の業務に合うか」で判断できる状態にしました。
調査・比較の結果をもとに、YOUMEX様として今後導入する人事システムを決定しました。製品ありきではなく、業務から要件を整理したうえでの意思決定です。導入・本稼働はこの先の工程となりますが、「何を、なぜ導入するのか」に納得感を持って進める土台ができました。
※ 業務数・候補数・費用パターンは本プロジェクトの成果物(現行業務および課題一覧・調査報告書・費用試算表)にもとづく実数です。導入するシステムの具体的な製品名は、機密保持のため公開していません。
- 「可能な限り1製品・統合データベース型が望ましい」という要件が、感覚ではなく現行業務と課題の分析から導かれた。
- 候補システムのFitGap表により、標準機能で置き換えられる業務と、運用変更や既存システム継続が必要な業務を切り分けて比較できた。
- 費用は月額だけでなく、初期費用・導入サポート・段階導入の要否まで含めて比較し、機能・価格だけでなく自社の業務に合うかという観点で判断できた。
- 調査・比較の結果をもとに、YOUMEX様として今後導入する人事システムを意思決定。製品ありきではなく、業務から整理したうえでの決定につながった。
- 検討の過程がすべて資料として残っているため、この後の導入準備・運用設計を、同じ前提資料の上で進められる。
比較のための調査ではなく、導入するシステムを「これで進める」と決められるところまで。

「機能や価格の比較ではなく、自社の業務に当てはめて考えられたことで、導入するシステムを納得して決めることができました。」
人事システムの見直しを始めた当初は、複数に分かれているシステムをできるだけ集約し、業務の負荷や管理コストを減らしたい、というところから検討を始めました。
最初は各サービスの機能や価格を比較すれば判断できると思っていましたが、進めていくうちに、「今どのような業務をしていて、どこに課題があり、今後どのような状態を目指すのか」を整理しないと、本当に自社に合ったシステムは選べないと感じました。
eapには、現行業務の整理から課題の可視化、候補システムの調査、FitGap、費用比較まで一貫して支援してもらいました。特に良かったのは、各システムの機能を並べて比べるのではなく、「自社の業務に当てはめた場合にどうなるのか」という視点で整理してもらえたことです。
機能面だけでなく、導入後の運用や費用、導入支援まで含めて比較できたことで、最終的にどのシステムを導入するのか、自分たちとして納得感を持って意思決定することができました。
システム導入は金額も大きく、長く使っていくものです。製品ありきで決めるのではなく、業務から整理したうえで意思決定できたことに、大きな価値があったと思っています。
特定のシステムを売らない、第三者として。
「システムの前に、業務」を今回も
eapは特定のSaaSを販売する会社ではありません。ベンダーの立場から機能を薦めるのではなく、事業・業務 → 課題 → 要件 → システムの順番で考える第三者として、選定の前段に入ります。売る製品を持たないからこそ、「候補から外す」「段階導入でリスクを下げる」「既存システムの継続利用も選択肢に残す」といった判断を、お客様の利益だけを基準に出すことができます。
システム導入が失敗する会社の多くは、導入前の業務整理でつまずいています。この考え方は、Structure Notes「システム導入が失敗する会社は、導入前の業務整理でつまずいている」でも詳しく書いています。
「重い業務整理をしない」という設計判断
お客様には「スピーディに進めたい。詳細な業務フロー図の作成に時間をかけたくない」という明確な方針がありました。私たちはこの方針に正面から反対するのではなく、目的に立ち返って支援の粒度を設計しています。業務フロー図が担う役割 ── 関係者の認識を揃え、課題を網羅的に洗い出し、合意の証跡を残す ── を、より軽量な「業務 × 課題 × 利用システム」の一覧で果たす、という判断です。
結果として、約1ヶ月というスピードのなかで、31業務の棚卸しから費用比較・ロードマップまでを揃えることができました。
支援体制
本プロジェクトには、SIerで基幹システム導入の設計から運用保守までの全工程を、コンサルティングファームでシステム構想策定・ベンダー選定支援などの上流工程を長年経験した専門コンサルタントがeapの支援体制として参画。ベンダーのWebサイトに「連携可能」と書かれていても実際には連携項目が限られるケースがあるなど、経験に基づく確認観点をヒアリング設計に織り込みました。
導入はここからが本番。業務整理は、そのまま資産になる。
導入するシステムが決まったことで、プロジェクトは次の段階へ進みます。システム導入は製品を選んで終わりではなく、この先に導入準備、操作習熟、本運用が続きます。ここで作成した業務・課題の一覧やFitGap表、費用試算は、意思決定の材料であると同時に、導入準備で運用手順を設計する際の前提資料として、そのまま使える資産です。
eapのDX・システム導入支援は、「どのシステムを入れるべきか」がまだ決まっていない段階からご相談いただけます。むしろ決まっていない段階でこそ、業務の整理から一緒に始めることで、自社に合ったシステムを、納得感を持って選べるようになると考えています。




