プロジェクト概要
- Client|クライアント
- Pureasy(ピュレアジー)
- Project|プロジェクト
- Pureasy マーケティング戦略構築・実行支援(クリニック専売ドクターズコスメ)
- Industry|業界
- 美容医療 / ドクターズコスメ
- Service|支援領域
- マーケティング戦略 / 市場・競合分析 / ブランド戦略 / 販促・CRM / 実行体制構築
- Period|支援期間
- 約半年
- Team|eap担当
- 株式会社eap
導入クリニックは着実に増え、口コミで売上も伸びていた。しかし「なぜ選ばれているのか」を説明できず、1院あたりの売上が伸びない。施策は単発で積み重なり、社内は兼務体制でマーケティングに人を割けない状態だった。
過去施策の棚卸し、消費者調査によるブランドファネル分析、導入クリニックへのヒアリング、競合・市場分析から「認知は低いが、使った人には選ばれ続ける」構造を特定。看護師のファン化をセンターピンに勝ち筋を定義し、7施策の年間マーケティング計画と会議体まで設計した。
感覚でしか語れなかった「売れる理由」がデータで言語化され、ブランドの開発元・販売会社・現場が同じ勝ち筋と同じ年間計画で動く体制に。施策を評価して翌期の計画に反映するPDCAが回り始めた。
口コミで売れている。でも、その理由を誰も説明できなかった。
Pureasy(ピュレアジー)は、韓国の大手製薬メーカーが30年以上研究してきた高純度EGF成分「DW-EGF」を配合したドクターズコスメです。クレンジングフォーム・ミスト・マスク・トナー・クリーム・サンクリームなどをラインナップし、日本では美容クリニック専売のスキンケアとして展開。レーザーやニードルなどの施術後の、デリケートな肌のホームケアを中心に扱われてきました。
日本での販売を担っていたのは、美容医療機器メーカーの日本法人です。主力の美容医療機器を導入するクリニックのネットワークを通じてPureasyを紹介する、というクロスセル型の販売構造で、導入クリニックは着実に増えていました。施策も打っていなかったわけではありません。B2B向けLPの制作、SNS広告、ウェビナー、学会展示、日本初のPOPUPストア、インフルエンサー施策、プレゼントキャンペーン ── 打ち手は数多く積み重なっていました。
それでも、成長には壁がありました。導入クリニックの数は増える一方で、1院あたりの販売が伸びない。デモやサンプル配布のあとの提案は現場任せで、スタッフによってアプローチがばらつく。そして何より、広告に大きく投資していないのに口コミで売れ続けるこのブランドが「なぜ選ばれているのか」を、誰もデータで説明できませんでした。社内は機器事業との兼務体制で、Pureasyのマーケティングに専任のリソースを割くことも難しい状況でした。
売れている理由が分からなければ、どの施策に投資すべきかも、ブランドの開発元に何を提案すべきかも決められません。eapへの依頼は、まさにこの一点から始まりました。「なぜオーガニックに売れているのかを解き明かし、それが本当に成長のセンターピンなのかを見極めたうえで、レバレッジの効く打ち手を設計してほしい」── 個別施策の代行ではなく、戦略の土台づくりからの支援でした。
口コミで売れるブランドが、「売れる理由を説明できない」まま成長の壁に突き当たるまで ── eapが参画するまでの流れを、6つのフェーズで整理します。
施策を増やす前に、「選ばれている理由」を特定する。
ご相談の入り口は「Pureasyの売上を伸ばしたい」でした。しかし、足りないのは施策の数ではありませんでした。実際、LP・広告・ウェビナー・POPUP・キャンペーンと、打ち手はすでに数多く試されていました。
本質的な課題は、その手前にありました。誰に・何を・どのチャネルで伝えると選ばれるのかが定義されていない。だから施策が単発になり、評価もできず、現場の提案もばらつく。まず「なぜ選ばれているのか」を構造的に特定することが、すべての起点でした。
棚卸し、測り、聞き、定義し、計画に落とす。
eapが最初にやったのは、施策の提案ではなく「現在地の特定」です。過去施策の棚卸しから始め、消費者調査・クリニックヒアリング・競合分析で仮説を検証し、勝ち筋を定義してから計画に落とす ── この順番を徹底しました。
調査の結果はっきりしたのは、「認知は先行ブランドに大きく劣るが、使った人のリピート意向は約9割と極めて高い」という、ファネルの明確な歪みでした。課題は製品力ではなく、知られていないこと。そして提案の起点が看護師であること。この2つの発見が、戦略のセンターピンになりました。
調査・戦略から、現場のツールと実行の仕組みまで。
eapが担ったのは「マーケティングの推進機能」です。調査・分析・戦略設計にとどまらず、現場が使うツールの制作、CRM施策の設計、会議体の運営まで、戦略と実行を切らずに支援しました。
支援アウトプット
測り、聞き、定義し、計画に落とす ── 戦略構築の実際のアウトプット。
ここでは、実際のプロジェクトで作成した支援アウトプットの一部をご紹介しています。機密情報等を除き、公開用に再編集しています。
施策を評価し、翌期の計画に反映するサイクルへ。
このプロジェクトの検証は、個別施策のABテストにとどまりません。参画前から積み重なっていた施策を含めて「何が効いて、何が効かなかったのか」を評価し、翌期の計画に反映する ── その評価と反映のサイクル自体を、運営に組み込みました。
勝ち筋が、ブランドに関わる全員の共通言語になった。
このプロジェクトの成果は、特定の施策の数字ではありません。口コミ頼みで「なぜ売れているのか」を誰も説明できなかったブランドに、データで裏付けられた勝ち筋と、それを実行し続けるための計画・体制が備わったことです。
勝ち筋が、ブランドオーナーの翌年度戦略に組み込まれた。
eapの分析が特定した「認知は低いが、使った人には選ばれ続ける」というブランドの構造と、「看護師のファン化」というセンターピンは、支援先である販売会社の戦略にとどまらず、ブランド開発元(メーカー日本法人)の翌年度マーケティング戦略にも反映されました。それまで感覚で語られていた「Pureasyは良い商品」という認識が、投資判断と施策設計の共通言語に変わり、開発元・販売会社・現場が同じ地図で動く土台ができました。
感覚のマーケティングが、定義された勝ち筋に変わった。
誰に(施術後ケアを求める層と、提案を担う看護師)、何を(製薬会社の研究に裏付けられた信頼性と独自性)、どう届けるか(現場ツール×ファン接点×CRM)が一枚で定義され、7つの施策すべてに定量・定性の目的が設定されました。現場の要望から生まれた商品別ブローシャーは、ガイドライン・薬機の観点を確認したうえで制作・納品され、看護師が患者に説明できる状態づくりが始まっています。
単発の施策から、評価して翌期に反映するPDCAへ。
週次定例・月次定例・CS定例・四半期のメーカー報告会という会議体が設計され、施策は「実施して終わり」ではなく「評価して翌期の計画に反映する」対象になりました。過去施策の棚卸しから始まったこの運営の型は、マーケティングの意思決定そのものを、感覚からデータと計画にもとづくものへと変えています。
- 施策ごとにバラバラに判断・実施
- 評価軸がなく、結果が次につながらない
- 「なぜ売れているのか」を感覚で語る
- 戦略・年間計画・KGIを軸に施策を選ぶ
- 週次定例〜四半期報告会で評価し翌期へ反映
- ファネルデータと現場の声で意思決定する
- BRAND ── 調査で確認された「使った人のリピート意向約9割」という事実は、認知拡大への投資根拠として、ブランド開発元への提案ストーリーの核になった。
- 現場発の改善 ── クリニックヒアリングで挙がった「患者向けの説明資料が欲しい」という声が、商品別ブローシャー制作プロジェクトとして実装された。分析が現場の武器に変わった好例。
広告の前に、「現場のファン」から考える。
なぜ、広告からではなく「なぜ売れているのか」から始めたのか
売上を伸ばしたい、という依頼に対して、いきなり広告やSNSの強化を提案することもできました。しかしこのブランドは、すでに多くの施策を試したうえで伸び悩んでいました。足りないのは打ち手ではなく、打ち手を選ぶ基準 ── eapはそう判断し、最初の数ヶ月を「現在地の特定」に投資しました。
結果として見えたのは、認知とロイヤルティの極端なギャップでした。認知を広げれば伸びる構造がすでにある。だからこそ、限られたリソースを「知ってもらう」と「現場のファンを増やす」に集中させる、という判断ができました。
センターピンを「看護師」に置いた理由
クリニック専売のスキンケアは、店頭でもECでもなく、施術室で選ばれます。ヒアリングで繰り返し聞いたのは、「患者さんはスタッフが使っているものを知りたがる」という事実でした。看護師自身がブランドのファンであれば、提案は自然に生まれ、広告に頼らなくても売れていく ── 口コミで売れてきたこのブランドの強みは、まさにその構造にありました。
だから戦略は、消費者向けの派手なプロモーションではなく、看護師との接点(ウェビナー・サンプリング・カンファレンス)と、看護師が語りやすくなる道具(商品別ブローシャー)に重心を置いています。
三者をつなぐ「共通の地図」をつくる
このプロジェクトには、ブランドの開発元(海外メーカーの日本法人)、日本での販売会社、クリニックの現場という三者が関わります。それぞれが見ている景色が違うなかで、eapが果たした役割のひとつは、調査データと年間計画という「共通の地図」をつくることでした。
週次の定例で現場の実行を前に進めながら、四半期の報告会で開発元と成果と学びを共有する。分析の発見が開発元の戦略に反映され、現場の声が制作物に反映される ── この循環をつくることが、単発施策の積み重ねから抜け出す鍵でした。
支援体制
本プロジェクトは、特定の担当者一人の成果ではなく、株式会社eapとしてのチーム支援です。マーケティング戦略の設計、消費者調査・データ分析、クリニックヒアリング、販促ツールの企画・制作進行、会議体の設計・運営を組み合わせ、クライアントの社内チーム・関係パートナーと一体で推進しました。




